中学生の皆さんへ
「なぜ?」という探究心が、未来を動かす力になる。
「このスマートフォンは、なぜこんなに薄くて軽いのか?」「飛行機が空を飛べるのは、どんな材料でできているからだろう?」「持続可能な社会のために、科学技術ができることは何だろう?」身の回りのテクノロジーや、社会が抱える課題について、深く考えたことはありますか。その根源にある答えの多くは、すべての”モノ”の基本となる「材料(マテリアル)」に行き着きます。
環境材料工学科は、物質の性質を原子や分子のレベルから深く理解し、社会に役立つ新しい材料を創造するための学問です。ここでは、物理、化学といった基礎科学を土台に、金属、セラミックス、有機材料など、多岐にわたる専門知識を体系的に学びます。
私たちの目的は、単に知識を増やすことではありません。実験や演習を重ね、自らの手でものづくりを実践する中で、論理的な思考力と、課題を解決する能力を養うこと。
それが、5年後の皆さんの大きな力となります。
「なぜだろう?」と考える知的な探究心。それを解き明かすための科学的なアプローチ。そして、未来社会に貢献したいという情熱。
この場所で、本質を探究する面白さを知り、自らの手で未来を動かすエンジニアを目指しませんか。
卒業研究テーマの一例:
工場や自動車から出る「排熱」など、これまで捨てられていた熱を効率よく電気に変える「熱電半導体」の開発。
半導体デバイスなどに使われる金属薄膜の信頼性を向上させるため、内部に残る「応力(ストレス)」を精密に測定・評価する研究。
光・電気などの外部刺激によって、自在に色を変化させられる「有機発色分子」の設計と合成。電子ペーパーなどへの応用を目指す。
水素燃料タンクやパイプラインなど、未来の水素エネルギー社会で安全に使える高強度な新合金の研究。
人工関節や骨を固定するプレートなど、人体に優しく、長期間使用できる高強度な「生体用チタン合金」の開発。
磁力を利用して、がん細胞だけを標的に加熱・破壊する、新しい医療用磁性ナノ粒子の開発。
光エネルギーを利用して、汚水や室内外の汚れやウイルスを分解したり,新たな有機分子を設計する「光触媒」材料の研究。